南九州輸出茶コンソーシアム

土壌の管理と
防除の関係性
畑を守るために必要なこととは
独創的な取り組みの一例です。
ウンカの被害は、茶園に大きなダメージを与え、病気を発生させます。時として収穫量を激減させてしまう農家にとってはやっかいな虫です。
現在日本において普及している有機茶の栽培技術を調べても対処できる農法を見つけることができなかったため、私たちは研究を重ね他の作物での成功事例をもとに土壌環境のコントロールによって防除効果を高めることができることを発見し、対処法を体系化することに成功しました。
ウンカは茶園の土の中で成長しますが、成長を阻害する土の状態をキープできれば、成虫の発生を抑えることができるのではないかと考えたのです。私たちは虫の成長時期合わせて、肥料配合を調整します。そうすることで、畑の土壌環境を意図的に変化させています。
農薬に頼る農法は、生態系を壊して排除することで茶園を守る手法でした。ウンカをはじめとした食害をもたらす虫を取り除くことができても、他の虫や菌まで殺してしまう側面もあるのです。実りのための受粉を促す蜂もいなくなってしまったら、自然のサイクルが止まってしまいます。
虫が葉を食べる。それは農産物をつくる人々にとっては害であっても、他の虫や菌の働きを経て腐葉土となり、大地を肥沃なものとし、森を育くむためには必要な現象なのです。
人も自然に生き、そして恵みを受ける一員です。
ですから可能な限り自然環境に寄り添い、自分たちも自然の循環を助ける担い手となることが大切ではないかと私たちは考えています。
有機農法に取り組む中で、持続可能な農法に取り組むということは、自然から大きな力を受けるため秘訣なのではないかと感じるようになりました。害虫に悩まされていたとき、その虫の天敵が私たちの茶園に自然と発生して抑制をしてくれたという経験をしたからです。
まだまだ苦労をすることが多いのですが、これからも創意工夫を重ね、自然にやさしい持続可能な手法で、生産性と品質を高める努力をしていきます。


